企業において労災(労働災害)が発生すると,どのようなリスクがあるかご存知でしょうか。
例えば,以下のようなリスクが挙げられます。
① 被災労働者への損害賠償義務
労災保険で一部カバーされますが,賠償額の大半は会社の自己負担です。事案によりますが,数千万円から億単位になることもあります。
この点は,別の機会に詳しくご紹介します。
② 刑事罰,行政処分,入札の指名停止処分
労災隠しや虚偽報告は,刑事罰や入札の指名停止処分につながります。
労災隠しは,労働安全衛生法違反(法120条)であり,50万円以下の罰金に処せられます。
労基署は,労災隠しに厳しい対応を取っており,積極的に書類送検をしていますので絶対やめましょう。
また,業務上過失致傷罪,労働安全衛生法違反が成立することがあります。
③ 労災保険料のアップ
労災保険は,一定規模以上の会社に限りますが,メリット制という制度が適用されるため,労災保険を使えば保険料が上がることになります。
一定規模とは,100人以上の労働者を使用する会社などをいいます。
④ 企業のイメージダウン
実は一番ダメージが大きいのがこれです。
最近では,マスコミはもちろん,ツイッターなどのSNSで一気に広まります。
一度,ブラック企業というレッテルが貼られると,取引先が取引を停止することはもちろん,雇用も難しくなります。
ざっと列挙しただけでも,これだけあります。
そして,どれも重い。
中小企業では,一度の労災事故でも,経営基盤が揺らぐ恐れがあります。
労災事故が起きないように,日々,安全管理を徹底したいところです。