破産申立てをする場合ですが、具体的にどのように流れになるのかと気になると思います。
大きくは、オープン型でいくのか、密行型でいくのか、どちらでいくのかで流れが少し変わります。
オープン型というのは、破産申立に先行して、私から債権者(ただし公租公課は除くきます)に対し破産手続について依頼を受けましたよ、という内容の通知を送る手法です。
他方、密行型というのは、上記のような通知を送ることなく、廃業後直ちに、裁判所に破産申立を行うという手法です。
どちらの場合でも、経営者が自ら債権者の矢面に立つことはありません。
オープン型の場合には、私が窓口になりますし、密行型の場合には裁判所から選任された破産管財人が窓口になります。
では、オープン型と密行型をどう使い分けるのかです。
法人の場合で手続費用(弁護士費用と裁判所に収める予納金)が全て用意できるのであれば、原則、密行型で行います。
あとは、オープン型だと破産を行うことが業界に知れ渡ることになりますので、業界や事業の規模によっては、大きな混乱を招く可能性があります。たとえば、百貨店や病院、大企業のように、利害関係者が膨大にのぼる場合です。また、業界によっては、取り付け騒ぎが起きることが予想され場合もあります。そういった場合には、密行型が必須です。
また、例外的ですが、破産申立後に破産管財人が事業譲渡をすることが予想される場合には、事業の毀損を防ぐために密行型を選択します。
このように、法人の場合には、原則密行型で行います。
債権者に知られないうちに、弁護士とともに廃業日を決定し、可能な限り資料を揃えて、廃業と同時に、裁判所に破産申立を行います。
他方、法人で手続費用が捻出できない場合には、オープン型を選択せざるを得ません。また、個人事業主の場合にはオープン型が一般的です。
ただ、その場合でも、私が債権者の窓口になります。
依頼を受けたのち、私が債権者に対し、直ちに破産申立について受任したことの通知を送付します。
この通知を送付すれば、多くの場合、債権者は経営者ではなく私に連絡を取ってきます。
万一、経営者に対し直接連絡をとってくる債権者がいたとしても、無理に対応する必要はありません。
むしろ、直接連絡があったとしても、必ず私に連絡をするように案内していただきます。
窓口の一本化と、適切な破産申立を行うためです。
破産申立は専門性の高い業務です。
特に事業を営んでいる法人や事業主の破産申立は、誰にでもできる業務ではありません。
破産手続について十分な経験を持たない弁護士に依頼すると、後々になって、経営者本人だけでなく、従業員や利害関係者、家族に大きな負担をかけることになりますので、十分に注意する必要があります。