収益不動産に関するセミナーに講師として参加しました!

昨日,2月26日に,顧問先の不動産業者さんがメイン講師を務めるセミナーが開催されました。

そのセミナーに,当事務所の弁護士池田克大も講師として参加させていただきました!

当日は,収益不動産にまつわる消費者被害のご紹介や被害に遭わないための対策,収益不動産にまつわる様々なリスクとその回避方法,終活における収益不動産の取扱いなどについて,お話しさせていただきました。

以下に,内容を簡単にご紹介したいと思います。

 

第1 収益不動産にまつわ消費者被害と被害に遭わないための対策

1 消費者被害の事例

収益不動産にまつわる消費者被害としては,不当勧誘事案が一番多いです。

執拗な勧誘,長時間にわたる勧誘,夜間の勧誘。とにかく電話や自宅訪問をしてしつこく勧誘してくる業者がいます。

また,これが一番駄目ですが,メリットばかり強調してリスクの説明がない業者。

高利回りを謳って,必ず儲かると断定的な話をする業者。

 

収益不動産に絡むリスクとしては,まずは売買である以上,不動産価格が下落するリスクがあります。

絶対に値段が上がると説明されたら要注意です。

また,収益不動産特有のリスクとして,空き家リスクと賃料滞納リスクがあります。

収益不動産ですから,店子さんや借主がそこを借りてくれないと賃料が入らないのですが,どれだけ優秀な管理会社でも空き家リスクを100%回避することはできません。

さらに,賃料は払って当然ですが,いろいろ事情があって払えなくなる借主は少なからずいます。これを賃料滞納リスクと言います。

このように,収益不動産の購入については,それにまつわる様々なリスクがあります。

それらリスクを何ら説明せず,絶対に儲かると断定して話をする業者が,ほんとうに,います。

 

また,空き家リスクや賃料滞納リスクを回避できる夢の契約として,一時,サブリース契約が流行しました。

要は,大手の会社が,オーナーからマンション全室を30年間一括で借り上げ,オーナーはその会社から賃料を受け取るという契約です。

大手の会社は,オーナーから借り上げたマンションの部屋を,一般の方に賃貸して,賃料収入を得ます。

この契約であれば,オーナーにとっての借主が大手の会社なので,賃料の不払いはありませんし,30年一括で借りてもらえるので空室が出るリスクもない。

だから,収益不動産特有のリスクがない夢の契約として,流行しました。

しかし,このサブリース契約に絡む消費者被害が多発しています。

よく問題となる事例としては,30年間同じ家賃で借りてもらえると思っていたら,10年くらいたった後に,家賃の減額を求められたという事例。

あとは,30年一括借り上げのはずが,10年ほど経った頃に,中途解約条項を理由に,契約を解約されてしまったという事例もあります。

詳細は,ここでは割愛しますが,詳しく知りたいという方は弊所に直接相談いただくか,消費者庁等が公表している注意喚起をご覧ください。

 

2 消費者被害に遭わないための対策

収益不動産の消費者被害の事例のほとんどは,業者からの勧誘を受けて,よく分からない内に契約をしてしまったという事例です。

この事から言えるのは,「勧誘をきっかけに購入するな」ということです。

 

収益不動産は勧誘されて購入するのではなく,自ら勉強し,自ら調査し,自ら業者を選定して,自らの意思で能動的に購入することが重要です。

自ら勉強というのは,収益不動産についての良い物件と悪い物件の見分け方から,利回りや税金を含めた資金計画などを,しっかり自分で勉強するということです。

また,自ら調査というのは,業者に任せるのではなく,自ら候補物件を見に行き,物件の外観や,どんな層の入居者が入居しているか,物件の周囲はどんな環境かなどを,自分の目と耳と鼻で調査するということです。

さらに,自ら業者を選定というのは,勧誘してきた業者の提案する物件から選ぶのではなく,収益不動産の売買を専門とする専門業者をいくつか回り,みずから信用でき相性の良い業者を探し,物件の紹介を依頼するということです。

もし,収益不動産の購入を検討されているなら,この3点は是非肝に銘じてほしいところです。

 

あと,収益不動産を購入するということは,自らが,不動産賃貸事業の経営者になるということです。

一旦購入したら,あとは,管理会社にお任せ,ではなく,購入した後も,経営者として,事業が上手くいくように自ら考え,勉強を続ける必要があります。

不動産賃貸事業であるという自覚を持ち続けることが,うまくいくコツです。

 

さらに加えて言うと,どれだけ勉強をして,どれだけ調査をして,経営者として自覚を持ったとしても,予期せぬリスクに遭遇することがあります。

それが,経営というものです。リスクのない経営はありません。

だからこそ,収益不動産の購入は,余剰資金で行うべきです。

業者の中には,銀行ローンを利用して,収益不動産を購入することを進めるところもあります。

しかし,ローンを利用して購入すると,リスクが顕在化した時に,不動産価格の下落や家賃回収不能等の損失が出るだけにとどまりません。

ローンの支払ができなくなり,最終的には,当該収益不動産を失い,更には,オーバーローンの場合にはあなた自身の自宅やその他の資産をも失う可能性がでてきます。

全てのリスクを回避することは不可能である以上,リスクが顕在化した時に,被害が広がることを防ぐ必要があり,そのためには余剰資金で購入することが重要なのです。

 

続きはまた後日アップします。

 

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