平成28年12月、中小企業庁は、「事業承継ガイドライン」を策定しました。
このガイドラインは、中小企業・小規模事業者の経営者に事業承継の課題を知ってもらうことを目的としています。
ただ、それだけでなく、中小企業・小規模事業者の支援を行う専門家に、事業承継支援のスタンダートとして実務において活用してもらうことも目的としています。
このガイドラインに目を通すことで、事業承継の進め方やその際のポイントを知ることができるのです。
専門家ではない方が内容をすべて理解するのは難しいですが、ざっと目を通すだけでも、イメージがつかめると思います。
以下では、簡単に、ガイドラインの概要をお伝えしたいともいます。
①事業承継の早期取り組みの重要性
まずガイドラインは、事業承継の早期取り組みの重要性について述べています。
一つの目安として、平均引退年齢が70歳前後であることを踏まえ、その10年前、だいたい60歳頃には事業承継の計画に着手することを進めています。
②事業承継に向けた準備の進め方
事業承継の早期取り組みの重要性を理解した上で、今度は,事業承継をするまでになすべきことを紹介しています。
具体的には、以下の5つのステップに分けて、順に何をすべきかを紹介しています。
ステップ1:事業承継に向けた準備の必要性の認識
ステップ2:経営状況・経営課題等の把握(見える化)
ステップ3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
ステップ4:事業承継計画の策定、マッチングの実施
ステップ5:事業承継の実行、MAの実行
以上を経て事業承継を実行し、さらなる企業の成長発展を目指します。
③事業承継の類型ごとの課題と対応策
次は、事業承継の類型ごとに注意すべき点や対策について紹介しています。
事業承継は、誰に事業を承継するかによって、実際の進め方や法律上の手続きなどが変わってきます。
ガイドラインでは、以下の3つの類型が紹介されています。
ⅰ 親族内承継
ⅱ 従業員承継
ⅲ 第三者承継
以上です。
近年では、職業の多様化等もあり、お子さん等の親族に事業を承継するのも難しくなっています。
そのため、最近では、社外の第三者に承継するケースが徐々に増えてきます。
以上、簡単ではありますが、事業承継ガイドラインの概要を紹介させていただきました。